上越市には、建物を解体する費用に使える補助制度が3つあります。
3つのうち2つには所得の制限や跡地の使い方の制限があり、建て替えを目的とした解体では使えません。
このページでは、上越市の建築住宅課が公開している内容をもとに、「自分はどの補助を使えそうか」が分かるように、できるだけかみ砕いてまとめています。
あわせて、上越で解体するときに特に気をつけたい2つのポイントもご紹介します。
ひとつは連たん家屋(隣とくっついた家)を解体するときの隣家の防火対策、もうひとつは冬に工事ができない土地で、年度内完了という条件をどうするかです。
上越市東城町で40年以上、解体工事を続けてきた市川工業が、実際の施工事例46件のデータも交えながら分かりやすくご説明します。
上越市で解体費に使える補助は3つ
解体(除却)の工事費そのものに使える上越市の制度は、3つあります。
窓口はどれも上越市役所の建築住宅課ですが、制度によって担当する係が違います。
①特定空き家等除却費補助……除却等に係る費用の2分の1(上限50万円)。
倒壊などのおそれがある空き家が対象。
低所得者層世帯に限られます。
住宅対策係(025-520-5786)。
②空き家等除却費補助……除却等に係る費用の2分の1(上限50万円)。
跡地を10年以上、地域活性化のために使うことが条件。
住宅対策係(025-520-5786)。
③耐震性が不足する住宅の除却工事の補助……除却にかかる費用の100分の23(上限30万円)。
いま住んでいる家が対象で、空き家は除かれます。
指導係(025-520-5783)。
①と②は「空き家」の制度、③は「住んでいる家」の制度です。
ひとつの建物が両方に当てはまることはないので、まず空き家かどうかで進む道が決まります。
ここで、3つすべてに共通する大事なルールがあります。
上越市は「補助金の交付を受けるためには、施工業者との契約・除却工事前に申請をしてください。
申請前に契約・着手すると補助対象外になります」と明記しています。
見積書を取るのは自由ですが、契約だけは申請が済むまで待ってください。
また、どの制度もその年度の予算がなくなり次第、受付終了です。
制度そのものがあっても、今年度の受付がまだ残っているとは限りません。
①特定空き家等除却費補助|2分の1・上限50万円
上越市が「放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態のもの」と定める特定空き家等を解体するときの補助です。
補助額は、解体費用の2分の1で上限50万円です。
工事費が100万円に届けば上限の50万円になります。
対象になるのは「低所得者層世帯」の方です
ここは特にチェックしておきたいポイントです。
対象者は「市税に未納がない特定空き家等の所有者またはその法定相続人等で、低所得者層世帯の方」とされており、その判定には上越市営住宅条例第6条第1項が準用されます。
かんたんに言うと、市営住宅に入居できるくらいの収入水準かどうかがひとつの目安になります。
上越市の一般公営住宅の入居収入基準は、収入月額で15万8千円以下(高齢者や障害のある方などの裁量世帯は21万4千円以下)です。
ただし、この「収入月額」は各種控除を差し引いて計算するため、単純な年収や月給とは一致しません。
ネットでは「上越市は最大50万円」とだけ紹介されていることもありますが、実際にはこの所得要件があります。
該当しそうかどうかは、見積もりを取る前に建築住宅課住宅対策係(025-520-5786)で確認してみてください。
「3親等以内が跡地に建物を建てない」という条件があります
補助条件のひとつに、「申請者または申請者の3親等以内の方が、除去後の跡地に建築物を建設しないこと。
(建設する場合は対象外になります。)」があります。
つまり、古い家を壊して新しい家を建てる、いわゆる建て替えでは使えません。
自分の家や、お子さん・ごきょうだいの家を新しく建てる予定がある場合は対象外になります。
たとえば、更地のまま持っておく、第三者に売る、駐車場にするといったケースが候補になります。
このほか、所有権以外の権利が設定されている場合はその権利を有するすべての人および団体から除却について同意を得ていること、除却後は敷地の適正な維持管理に努めることも条件になっています。
相続人が複数いる空き家では、この同意を集めるところで時間がかかることも少なくありません。
②空き家等除却費補助|2分の1・上限50万円
こちらは、①と違って所得制限はありません。
その代わり、解体したあとの土地の使い方に大きな条件があります。
補助額は①と同じで、除却等に係る費用の2分の1、上限50万円です。
跡地を10年以上「地域活性化」に使うことが条件です
上越市は補助条件を「空き家等の除去後の跡地が地域活性化(ポケットパーク等)に10年以上供されること」と定めており、これを満たすことが確認できる書類(計画書等)の提出が必要です。
市の様式には「空き家等の跡地活用計画書」とその追加資料が用意されています。
そのため、個人の方が「家を1軒壊して更地にしたい」というだけでは使いにくい制度です。
イメージとしては、町内会や地域団体が危険な空き家を撤去し、その土地を広場や駐車スペースとして地域で長く使っていくようなケースです。
ご自身の土地でこの条件を満たせるかどうかは、計画書の書き方も含めて事前に市へ相談するのが確実です。
「市内に本社を有する事業者」が請け負うことが条件です
②にはもうひとつ、「除却工事及びそれにより生じた廃材等の処分に当たり、市内に本社を有する事業を行うものが請け負うこと」という条件があります。
ここは見落としやすいところで、市外の業者に頼むと、ほかの条件を満たしていても補助の対象外になります。
市川工業は上越市東城町に本社があり、廃材の処分まで自社で行っています。
市川工業はこの条件を満たしているため、補助制度を使った工事にも対応はい、解体できます。
相見積もりを取るときは、他社が上越市内に本社を置いているかどうかも確認してください。
解体のご相談・お見積りは無料です。
お問い合わせフォーム(24時間受付)、またはお電話(025-522-4498)からお気軽にご連絡ください。
③耐震性が不足する住宅の除却工事の補助|100分の23・上限30万円
上越市の「木造住宅耐震改修支援事業」の一部として、耐震性の不足する木造住宅をすべて除却する工事にも補助があります。
金額は①②より小さいものの、空き家である必要がなく、跡地の使い方にも制限がありません。
3つの中では、比較的使いやすい制度といえます。
対象は「空き家を除く」=いま住んでいる家です
対象は、次のいずれにも該当するものです。
・上越市木造住宅耐震診断支援事業に基づく耐震診断の結果、上部構造評点が1.0未満となった住宅で耐震改修を行わない住宅、または「誰でもできるわが家の耐震診断」で評点が7点以下の住宅(空き家を除く)
・上記住宅に居住している人
・住替え先が、上越市内の耐震性のある住宅であること
・市税を完納している人
大きな違いは、①にある「3親等以内の方が跡地に建物を建てないこと」という条件がない点です。
住替え先が上越市内の耐震性のある住宅であればよいので、同じ敷地に新しい家を建てて住む場合も要件の読み方次第では対象になり得ます。
建て替えを考えているなら、まずこの制度を指導係(025-520-5783)に相談してください。
補助額は工事費の23パーセント|130万円で上限に届きます
補助額は「住宅の除却にかかる費用の100分の23(上限30万円)」という、あまり見ない率です。
逆算すると工事費が約130万円を超えたところで上限の30万円になります。
工事費がそれより低ければ、おおむね工事費の23パーセントが補助額の目安になります。
募集は5件・11月30日締切です
募集件数は5件で、多数の場合は抽選になります。
上越市全体で5件だけなので、かなり少ない枠です。
申込締切は令和8年11月30日ですが、「予算額に達した場合は、令和8年11月30日を待たず申込終了となります」となっています。
先に電話で枠の残りを確認してから動いてください。
代理受領制度が使えます
この制度には代理受領制度があります。
申請者から委任された業者が補助金を直接受け取るしくみで、上越市は「申請者は工事費用等と補助金額の差額分のみを用意すればよく、当初の費用負担が軽減されます」と説明しています。
市のページには工事費150万円・補助額30万円の例が示されています。
つまり、いったん30万円を立て替えて、あとから戻してもらう必要がありません。
解体工事はまとまった金額になるので、最初に用意する金額が30万円少なくて済むのは大きなメリットです。
当社は代理受領の届出書の作成もお手伝いします。
どれに当てはまるか|判断の順番
「自分はどれに当てはまる?」という方は、次の順番で見ていくと分かりやすいです。
1. いま住んでいる家を壊すのか、空き家を壊すのか。
住んでいる家なら③だけが候補です。
空き家なら①か②です。
2. 空き家の場合、跡地に自分や3親等以内の親族が家を建てるか。
建てるなら①は使えません。
②も跡地を10年以上地域活性化に使う制度なので外れます。
つまり建て替え目的の空き家解体には、上越市の補助は事実上ありません。
3. 建てない場合、世帯の収入はどうか。
低所得者層世帯に該当するなら①(2分の1・上限50万円)。
該当しないなら、跡地を10年以上地域活性化に使えるかどうかで②を検討します。
4. どれも当てはまらない場合。
解体費の補助はありません。
売却まで考えるなら、後述する相続空き家の3,000万円特別控除のほうが金額の効きは大きくなります。
ちなみに①は、ほかの補助金などを重ねて使うことはできません。
複数の制度を重ねて受け取ることはできません。
解体に使えそうで使えないもの、条件つきで使えるもの
ブロック塀の撤去に補助はありません
上越市の建築住宅課が出しているブロック塀に関するページは「敷地内のブロック塀等を点検してください」という点検の呼びかけで、撤去費用の補助制度はありません。
高さ2.2メートル以下か、厚さは10センチメートル以上か、長さ3.4メートル以下ごとに控え壁があるか、といった点検項目が示されているだけです。
他都市ではブロック塀の撤去に3分の2や上限15万円といった補助があるため、他地域の記事を読んで期待される方が多いところです。
上越市では自己負担になります。
解体工事と一緒に撤去すれば、重機と運搬を共用できるぶん単独で頼むより安くなります。
お見積りの際にお気軽にお伝えください。
アスベストの調査・除去にも補助はありません
民間建築物のアスベスト含有調査や除去工事に対する上越市の補助制度も、確認できません。
上越市にある「アスベスト」関連の助成は、アスベスト疾患検診費用の助成(健康づくり推進課)という人の健診に対するもので、建物の工事費に対するものではありません。
一方で、解体前のアスベスト事前調査と結果の報告は法令上の義務です。
補助があるかどうかとは関係なく実施しなければならず、調査費用と、含有していた場合の除去費用は見積書に計上されます。
当社は調査と報告まで自社で対応します。
なお、建物を解体せずに改修する場合は、上越市住宅リフォーム促進事業(一般枠)の補助対象工事にアスベスト除去工事が含まれています。
残して直すのか、壊すのかで扱いが変わる点にご注意ください。
空き家定住促進利活用補助金と家財道具等処分費補助金は「残して活用する」ための制度です
上越市には似た名前の補助金がいくつかあるので、「これも解体に使えるのでは?」と迷いやすいところです。ここで整理しておきます。
空き家定住促進利活用補助金は、市外からの移住者が空き家を改修するための制度で、基本額は工事費の3分の1(上限50万円)。
対象は改築・増築、手すりの設置、壁の張替、給湯器の交換などの改修工事で、解体・除却は含まれません。
空き家活用のための家財道具等処分費補助金は、家財道具等の搬出と処分にかかる費用(5万円以上)の2分の1・上限10万円。
ただし対象は上越市空き家情報バンクに登録または登録を予定する空き家で、「補助対象空き家に定住する意思があること」が条件です。
解体して更地にする前提の残置物処分には使えません。
こちらも「市内に本社を有する事業を行うものが請け負うこと」が条件です。
建て替えるなら克雪すまいづくり支援事業が候補になります
解体費そのものは対象外ですが、建て替えとセットで考えるなら克雪すまいづくり支援事業が使えます。
市内の特別豪雪地帯のうち市長が指定した地域(大潟区および頸城区を除く市内全域)で克雪住宅を新築・改築・改修・購入する人が対象になります。
補助額は、融雪式で要援護世帯なら上限55万円、要援護世帯でなければ上限44万円。
耐雪式・落雪式・落雪高床式は要援護世帯で上限44万円、それ以外は上限33万円です。
屋根全面の克雪化が条件で、車庫などの住宅でない建物は対象外です。
ここで気をつけたいのが、工事の期限です。
令和9年1月29日までに工事を完了し実績報告ができる人が対象となっています。
解体してから新築まで進めることを考えると、実際に動き始められる時期はかなり限られます。
連たん家屋を解体するとき|隣家の防火対策に上限100万円の補助
上越市の市街地、とくに高田のまちなかには、隣の家と壁がくっついた連たん家屋が数多く残っています。
こうした建物を1軒だけ解体すると、これまで隠れていた隣家の壁がそのまま外に出てきます。
その壁は雨や火に備えた仕上げになっていないことも多く、隣家との調整がとても大切になります。
そんなときに確認しておきたいのが、上越市住宅リフォーム促進事業(連たん家屋防火対策枠)です。
補助率は50パーセント、上限100万円です。
市内の3つの枠のなかで最も金額が大きい枠です。
対象になる工事と条件
補助の対象になるのは、外壁の屋外側または屋内側を防火構造に準じた仕上げとする工事、隣接家屋と一体となっている小屋裏を防火性能のあるもので区画する工事、窓または玄関の戸を防火設備にする工事、車庫や台所の壁・天井の仕上げを準不燃材料とする工事、感震ブレーカーの設置工事です。
対象になる住宅は、上越市都市計画に定める準防火地域の区域内にある木造の住宅で、住宅の敷地境界(道路と接する境界を除く)から50センチメートル未満の距離にある住宅です。
附属家は除かれます。
店舗や事務所との併用住宅なら店舗等部分も対象になります。
施工業者にも条件があり、市内に本社を有する法人または住所を有する個人事業者(あるいは市外業者が建てた住宅をその業者がリフォームする場合)に限られます。
予算額は500万円、受付は令和8年4月1日から予算に達するまで、実績報告の提出期限は令和9年2月26日です。
申請するのは隣家の所有者です
ここは少し分かりにくいので、注意が必要です。
この補助の対象者は「連たん家屋を所有し、居住している人」です。
つまり解体するお客様ではなく、壁が露出する側の隣家の所有者が申請します。
解体の相談を始める段階で、「隣の壁の防火対策には補助が使える可能性があります」と伝えられると、隣家との話し合いもしやすくなります。
当社は解体のご相談をお受けした時点で、連たん家屋かどうか、準防火地域かどうか、境界からの距離を現地で確認し、隣家への説明資料までご用意します。
なお、この枠は一般枠・子育て世帯支援枠との併用が可能です。
ただし空き家定住促進利活用補助金や定住促進生家等利活用補助金の交付を受けた人、受けようとする人は申請できません。
また交付決定を受けてから契約し工事に着手する必要があり、施工前・施工中・施工後の写真が必須です。
撮り忘れがあると交付決定が取り消されることがあります。
切り離し工事には別途費用がかかります
ここで、補助金とは別に工事費の話もしておきます。
隣家とくっついた建物を切り離す場合は、通常の解体より手間が増えるため、その分費用も上がりやすくなります。
当社が公開している施工事例のうち「家の解体工事 切り離し工事有り」では、42坪の木造住宅で切り離しのオプション費用が100万円かかりました。
また「両側が接している木造2階(町屋)家屋の解体工事」は57坪で工期8日間、重機が入らず手作業で進めた「住宅の手バラシ解体工事」は27坪で12日間かかっています。
同じ27坪前後でも、機械で壊せる現場なら3〜4日です。
連たん家屋の解体は、坪数だけでは費用も工期も読めません。
このタイプの建物は、現地を見ずに正確な金額を出すのが難しいです。
冬に工事ができない土地で、年度内完了をどう逆算するか
上越市の解体補助には、どれも年度内に工事を終えて実績報告を出すという条件がついています。
③の耐震除却は申込締切が11月30日、克雪すまいづくり支援事業は令和9年1月29日までに完了、連たん家屋防火対策枠の実績報告期限は令和9年2月26日です。
ただ、上越市はご存じの通り雪の多い地域です。
積雪期に建物の解体を進めるのは現実的ではありません。
雪が積もると足場や重機が使いにくくなり、廃材を分けて置く場所の確保も難しくなります。
市の締切が11月末から1月に集まっているのは、実質的に雪が積もる前に終わらせる設計になっているからだと考えられます。
当社46件の施工事例でみる工期
では、実際の解体工事はどのくらいの日数がかかるのでしょうか。
当社が公開している施工事例46件のうち、工期が分かる30件を集計しました。
工期は1日から21日、中央値は5日でした。
面積別に見ると、30坪未満は中央値4.25日、30坪から50坪未満は4日、50坪から80坪未満は5日、80坪以上でも中央値11日です。
木造で面積と工期の両方が分かる19件では、3.5日から15日、中央値5日でした。
つまり解体工事そのものは、多くの場合1週間から2週間で終わります。
年度内に間に合わなくなる原因は、工事そのものの長さだけではありません。
申請から交付決定までの手続きに時間がかかるからです。
①②は現地の確認と書類審査、③は抽選の可能性もあります。
相続人の同意書が必要な場合は、その連絡や取りまとめにも時間がかかります。
逆算すると、遅くとも夏のあいだに市へ相談を始めておきたいところです。
秋に動き出すと、交付決定を待つあいだに雪が来ます。
雪解けを待って翌年度になれば、その年度の予算枠を取り直すことになります。
手バラシになると工期は倍以上
もちろん、すべてがこの日数で終わるわけではありません。
前に触れた「住宅の手バラシ解体工事」は27坪で12日間。
重機が入れない現場では、同じ規模でも工期が3倍近くなります。
上越のまちなかは前面道路が狭く、雁木や連たん家屋で重機の取り回しが効かない現場が珍しくありません。
土蔵がある場合も少し事情が変わります。
当社の46件には土蔵の解体が4件含まれています。
土壁は重く、廃材の分別や処分方法も一般的な木造住宅とは異なります。
上越で母屋と一緒に蔵を持っている敷地は多く、蔵を入れるかどうかで見積額も工期も変わります。
ご相談のときは蔵や小屋も含めてお知らせください。
現地調査とお見積りは無料です。
補助金が使えるかどうかの見立ても含めて、こちらからご相談ください。
補助の対象外だったときに効く税の制度
ここまで見てきた通り、上越市の3つの補助制度にはそれぞれ条件があり、とくに建て替え目的では使いにくいのが実情です。
ただし、相続した空き家を解体して土地を売る予定なら、補助金とは別に確認しておきたい大きな税の特例があります。
空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除です。
相続した空き家、またはそれを取り壊したあとの土地を売ったときに、譲渡所得から最大3,000万円を控除はい、解体できます。
適用期限は令和9年12月31日までに延長されています。
主な要件は、家屋が昭和56年5月31日以前に建築されたものであること、相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること、譲渡対価が1億円以下であることなどです。
令和6年1月1日以降の譲渡では、相続人が3人以上の場合の控除額は2,000万円になります。
適用を受けるには、市区町村が交付する被相続人居住用家屋等確認書を税務署に提出します。
上越市での交付窓口は市役所(代表 025-526-5111)に確認してみてください。
制度の全体像は国土交通省のページにまとまっています。
解体業者が用意する書類があります
取り壊したあとの土地を売る場合、確認書の申請には除却工事の請負契約書の写しや、取り壊しから売却までのあいだ更地であったことが分かる資料が必要です。
解体が終わったあとで「必要な写真を撮っていなかった」と気づいても、あとから撮り直すことはできません。
当社は工事請負契約書の写しに加えて、完了時の更地の写真(撮影日入り)と、必要に応じて建物滅失の証明をお渡ししています。
相続がからむ解体では、着工前にお気軽にお伝えください。
解体すると固定資産税は上がります
建物を取り壊して更地にすると、土地にかかっていた住宅用地の特例が外れます。
1月1日時点で建物がなければ、翌年度から土地の固定資産税が上がります。
上越市には家屋滅失届出書の様式があり、解体後はこの届出が必要です。
一方で、傷んだ空き家をそのまま放置していると、管理不全空家等・特定空家等と判断されることがあり、勧告を受けると同じ特例が外れる場合があります。
さらに上越市には特定空き家等の所有者に対する命令の制度もあります。
そのため、「解体すると固定資産税が上がるから」と先延ばしにすれば得、とは限りません。
売却や建て替えの予定とあわせて、どの年に解体するかを決めるのが現実的です。
解体前に必要な届出
補助金とは別に、解体工事をするうえで必要な手続きもあります。
当社で代行できるものが多いですが、工事のスケジュールに関わるため、ざっくり知っておくと安心です。
建設リサイクル法の届出……建築物の解体工事で床面積の合計が80平方メートル以上のものが対象になります。
工事に着手する日の7日前までに、上越市役所木田第1庁舎の建築住宅課指導係へ届け出ます。
届出は発注者または自主施工者の義務となっています。
石綿(アスベスト)事前調査結果の報告……一定規模以上の解体・改修工事では、事前調査の結果を報告する義務があります。
道路使用許可……前面道路の幅が狭い場合は、所轄の警察署への申請が必要です。
上越のまちなかでは該当することが多い手続きです。
建物滅失登記……解体後は法務局への滅失登記が必要です。
あわせて市へ家屋滅失届出書を提出します。
この7日前という期限があるため、「来週から着工」というご依頼にはお応えできないことがあります。
補助金を使う場合は、交付決定を待つ期間にこの7日間も足して逆算してください。
妙高市で解体する場合|所得要件がありません
当社は上越市を中心に、妙高市と新潟県全域、長野県の長野市・信濃町・飯山市までお伺いしています。
解体の補助は建物が建っている市の制度を使うことになるので、上越市の制度はそのままでは当てはまりません。
隣の妙高市には「妙高市特定空き家等除却費補助金」があります。
補助率は、補助対象経費の2分の1(1,000円未満切り捨て)で上限50万円です。
上越市の①と同じ率・同じ上限ですが、所得要件の記載がありません。
対象者は特定空き家等の所有者(法定相続人を含む)で市税を完納している方です。
ただし妙高市にも「補助対象者を含む3親等以内による建て替え目的でないこと」という条件があります。
建て替えのための解体に補助が出ないという点は、上越市と同じです。
申請期間は令和8年4月1日から令和8年11月30日までで、令和9年3月31日までに工事完了と支払いが済むものが対象になります。
窓口は妙高市役所の地域共生課 移住支援グループ(0255-74-0064)で、建築部門ではありません。
このように、隣り合う上越市と妙高市でも、所得要件や相談窓口が違います。
上越市で対象外だった方も、物件が妙高市にあるなら結論が変わることがあります。
解体工事サービスの詳細はトップページをご覧ください。
よくある質問
上越市の解体補助金は、いくらもらえますか。
どの制度を使うかによって金額が変わります。
特定空き家等除却費補助と空き家等除却費補助は除却等に係る費用の2分の1で上限50万円、耐震性が不足する住宅の除却工事の補助は除却にかかる費用の100分の23で上限30万円です。
上限に届くのは、前者なら工事費100万円、後者なら約130万円からです。
建て替えのために古い家を解体します。補助は使えますか。
特定空き家等除却費補助は使えません。
補助条件に「申請者または申請者の3親等以内の方が、除去後の跡地に建築物を建設しないこと」があり、建設する場合は対象外となっています。
空き家等除却費補助も跡地を10年以上地域活性化に供する制度なので当てはまりません。
可能性があるのは、いま住んでいる耐震性の不足する住宅を対象とする③です。
建築住宅課指導係(025-520-5783)にご相談ください。
「低所得者層世帯」とは、どれくらいの収入ですか。
特定空き家等除却費補助では、上越市営住宅条例第6条第1項が準用されます。
上越市の一般公営住宅の入居収入基準は収入月額15万8千円以下、裁量世帯は21万4千円以下です。
この収入月額は各種控除を差し引いたあとの金額で計算するため、額面の給与とは一致しません。
判定は市に確認してみてください。
先に解体業者と契約してから補助金を申請してもいいですか。
先に契約してしまうのはNGです。
上越市は「補助金の交付を受けるためには、施工業者との契約・除却工事前に申請をしてください。
申請前に契約・着手すると補助対象外になります」と明記しています。
見積書を取るのは問題ありませんので、見積りだけ先に取り、契約は申請が済むまでお待ちください。
市外の解体業者に頼んでも補助は出ますか。
空き家等除却費補助では、市外業者に依頼すると対象外になります。
「除却工事及びそれにより生じた廃材等の処分に当たり、市内に本社を有する事業を行うものが請け負うこと」が条件です。
連たん家屋防火対策枠や家財道具等処分費補助金にも同様の業者要件があります。
相見積もりの際は、各社の本社所在地も確認してみてください。
いまからでも今年度の補助金に申し込めますか。
制度ごとに違います。
耐震性が不足する住宅の除却工事の補助は募集5件で申込締切が令和8年11月30日ですが、予算額に達した場合は締切を待たず終了します。
除却費補助も年度ごとの予算額に達し次第終了です。
まず建築住宅課(住宅対策係 025-520-5786/指導係 025-520-5783)に電話で枠の残りを確認してみてください。
上越市にブロック塀の撤去やアスベストの補助はありますか。
現在確認できる範囲では、どちらもありません。
ブロック塀については建築住宅課が点検の呼びかけを行っているだけで、撤去費用の補助制度はありません。
アスベストについても民間建築物の調査・除去に対する市の補助は確認できません。
ただしアスベストの事前調査と結果の報告は法令上の義務なので、補助の有無にかかわらず実施します。
隣の家と壁がくっついています。解体できますか。
はい、解体できます。
当社には両側が接している町屋の解体や、切り離し工事を伴う解体の実績があります。
ただし通常の解体より手間がかかり、当社の事例では切り離しのオプション費用が100万円かかったものがあります。
あわせて、露出する側の隣家が準防火地域内で敷地境界から50センチメートル未満なら、外壁の防火対策工事に上越市住宅リフォーム促進事業(連たん家屋防火対策枠)の補助が50パーセント・上限100万円で使えます。
申請するのは隣家の所有者です。
解体工事はどれくらいの期間がかかりますか。
当社が公開している施工事例46件のうち工期が分かる30件では、1日から21日、中央値は5日でした。
面積別では30坪未満が中央値4.25日、50坪から80坪未満が5日、80坪以上でも中央値11日です。
ただし重機が入らず手作業になる現場では、27坪で12日かかった例があります。
土蔵を含む場合も工期が変わります。
冬でも解体工事はできますか。
積雪期でも絶対にできないわけではありませんが、現実的にはかなり難しくなります。
雪が積もると足場や重機が使いにくくなり、廃材を分けて置く場所の確保も難しくなります。
上越市の補助制度も、耐震除却の申込締切が11月30日、克雪すまいづくり支援事業の完了期限が令和9年1月29日と、雪が積もる前に終える設計になっています。
補助金を使うなら、遅くとも夏のあいだにご相談ください。
補助金の対象外でした。ほかに費用を抑える方法はありますか。
相続した空き家を解体して土地を売るなら、譲渡所得の3,000万円特別控除のほうが金額の効きは大きくなります。
昭和56年5月31日以前に建築された家屋で、相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることなどが要件です。
適用期限は令和9年12月31日までです。
手続きには除却工事の請負契約書の写しや更地の状況が分かる資料が必要なので、着工前にお気軽にお伝えください。
まとめ
上越市で解体費に使える補助は3つあります。ただし、どの制度にも細かな条件があります。
・特定空き家等除却費補助……2分の1・上限50万円。
ただし低所得者層世帯限定で、3親等以内が跡地に建物を建てないことが条件
・空き家等除却費補助……2分の1・上限50万円。
跡地を10年以上地域活性化に供し、市内に本社のある業者が施工すること
・耐震性が不足する住宅の除却……100分の23・上限30万円。
空き家は除外、募集5件、11月30日締切。
代理受領が使えます
建て替え目的の解体には、上越市の補助は事実上ありません。
その場合は、相続した空き家なら3,000万円特別控除のほうが効きます。
ブロック塀とアスベストに市の補助はありません。
そして、3つすべてに共通して覚えておいてほしいことがあります。
申請より先に契約したら、補助はゼロになります。
見積書を取るのは自由ですが、契約だけは待ってください。
上越での解体には、この地域ならではの難しさもあります。
連たん家屋の切り離し、重機が入らない狭い前面道路、母屋と一緒に立つ土蔵、そして雪。
市川工業は上越市東城町で昭和56年から解体リサイクル一筋でやってきました。
補助金が使えそうかの確認から、隣家へのご説明、解体後に必要な書類までまとめてお手伝いします。
ご相談・お見積りは無料です。
お問い合わせフォーム(24時間受付)、またはお電話(025-522-4498)からご連絡ください。
参照した上越市・妙高市・国のページ
・令和8年度上越市住宅リフォーム促進事業(連たん家屋防火対策枠)
※掲載内容は2026年9月時点で各市の公式ページを確認したものです。
制度の金額・要件・受付期間は年度ごとに変わります。
申請前に必ず最新の情報を確認してみてください。



